【おもしろ】飼う前に知っておきたい猫の習性
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はじめに
「猫を飼いたいけど、いまいち猫ってどんな動物かわからない…。」
気まぐれで自由奔放に生きる猫たちは、特にそんな風に思われがち。
今回は「なんで猫はそんなにキレイ好きなの?」「なんで爪を研ぐの?」といった猫の行動の謎を、祖先から受け継がれた習性と合わせて解説します。
猫の習性を学びながら、『猫と楽しく暮らすための環境づくり』のヒントを一緒に探っていきましょう!
「動物界屈指のキレイ好き!」な猫の習性
トイレを覚えるのが早い
猫のトイレトレーニングは簡単だとよく言われます。
猫は元々砂漠で生活していた動物。
砂の上でトイレをすることを本能的に知っているからなんですね。
新しいトイレを用意したときは、おしっこのニオイを少しつけてあげるだけで覚える子もいます。
また、自分の存在を感知されないようにおしっこやウンチを隠す習性もあるので、臭いが少ないのも特徴。
ただ、猫はとってもきれい好きなのでトイレは頻繁に掃除をしましょう。
汚れが原因でトイレすることを嫌がって粗相をしてしまう子もいます。
毛繕いをする
1日に何度もぺろぺろと毛繕いするのには理由があります。
ひとつは、自分の臭いや汚れを取り除くため。
体臭を消すことで獲物や外敵に気付かれないようにしたり、汚れを落とすことで皮膚病や毛玉から身を守ることができます。
また、毛のもつれを整えることでノミ対策の効果も。
唾液の蒸発には最大16℃の冷却効果がありますので、夏場は体温を下げることにも役立ちます。
もうひとつは、リラックスするためです。
高いところに飛び乗ろうとして失敗した時や、飼い主さんに怒られた後などに、取り繕うようにペロペロと毛繕いをする場面を見かけたことはありませんか?
あの行動の理由は、ズバリ「気持ちを落ち着かせたいから」。
母親に毛繕いされていた子猫時代の安心感を思い出すことで、なんとか冷静さを保とうとしているんですね。
なんだかすごくいじらしくて可愛らしい仕草ですよね。
自分で体をキレイにできる猫ですが、ブラッシングも大切です。
抜け落ちる毛の量が少なくなりますし、飲み込んだ毛が胃内に溜まってしまう血球症のリスクも下がるので、定期的にブラシをかけてあげましょう。
「飼い猫だって立派な狩人!」な猫の習性
1日に何度も爪を研ぐ
猫は狩りをする時のために、爪とぎで古い爪をはがして常に鋭い爪を保ちます。
それは、一日中家の中でゴロゴロしている飼い猫でも同じ。
備えあれば憂いなしですね。
また、ニオイで自分の縄張りを主張するために爪を研ぐこともあります。
足の裏にある「臭腺」と呼ばれる分泌腺をこすりつけることで、他の猫が寄りつかないようにしているんです。
その他にも、シーツやカーペットなどに爪が引っかからないようにするための爪切りの役割もあったり、気分を切り替えたいときのストレス解消の役割もあるので、家具や壁紙などがボロボロになることを防ぐためにも爪とぎ器は複数置いておきましょう。
小さいものが動くと飛びつく
猫はたとえ食事中であっても、小さなものが目の前で動くと飛んでいって捕まえようとするほど狩猟欲求が強い動物です。
この行動は、野生の猫が基本的に単独行動であるという習性から来ています。
自力で獲物を狩り、外敵から身を守らなければならないので、すぐに戦闘モードに入れるようにしておかなければ外の世界では生きていけません。
だからこそ、その頃の野生の本能として現代の飼い猫にも強く根付いているのだと考えられます。
狩猟欲求を満たすためやストレス発散のためにも、猫じゃらしやボールを獲物に見立てて疑似的な狩猟ごっこで遊ばせてあげるとよいでしょう。
狭い所や高い所が好き
たまにキャットタワーの上からこちらをジッ…と見降ろされていたり、隙間からこっそり覗かれていることはありませんか?
猫がこうして高い所や狭い所を好むのは、外敵に見つかりにくく獲物を狙いやすい場所なので、本能的に安全スペースだと感じリラックスすることができるからだと言われています。
そのため、猫の生活する空間にはキャットタワーなどの登れる場所や、箱などの隠れられる場所を用意してリラックスできる場所を作ってあげましょう。
いつも見回りパトロ―ル
先程もお話したように、猫はもともと単独行動をする習性があります。
そのため、猫同士の無用な争いを避けるために自分の食料や寝床を確保できる場所に縄張りをつくり、お互いに適度な距離を保って暮らす必要があるんです。
そういえば、完全室内飼いの猫であってもきちんと自分の縄張りを持っていることを知っていましたか?
外敵がおらず一見平和に見える家の中であっても、寝床や遊び場所を自分の中で作って生活しているんですよ。
ニャンともかわいい!な猫の習性
いつも寝てばかり
猫が寝てばかりなのは、いざ獲物が来たときに全力を出して追えるように体力を蓄えているからです。
食べたものを消化することにたくさんのエネルギーを使うので、体力の消耗を減らすためにも寝ながら消化しているんだとか。
それに、実はずっと熟睡しているわけではないんです。
猫の眠りの80%は浅い眠りと言われています。
それも単独行動の習性からくる危機管理本能によるもの。
眠っている猫に近づくとすぐに気配を感じ取られて目を開けられるのは、その証拠なんですよ。
ニオイに敏感
猫の嗅覚は、人の数万~数十万倍優れていると言われています。
そのため猫の祖先たちは嗅覚を情報源として周囲の状況を見極めていました。
その習性は今でも残っており、ものを近づけるとそれが何かを判別するために入念にニオイを嗅ぐのです。
また、猫はお互いの鼻先を近づけて情報交換をします。
これは人間で言うと名刺交換のようなもの。
特に肛門は、性別や血縁関係、相手が発情しているかまで分かるんだとか…。
グイグイ頭を押し付けてくる
猫は自分のニオイがすると安心する生き物。
そのため、家具や柱、衣服などに顔を擦り付けて自分のニオイを残すことで安心できる場所を確保しています。
家に帰ってきた時に、猫がすり寄ってくることがありませんか?
それは飼い主さんから自分以外のニオイがするので落ち着かず、自分のニオイで上書きをすることによって安心したいからなんですよ。
おわりに
いかがでしたか?
これらの猫の行動は、実は全て祖先から受け継がれた習性であり、自然界を生き抜くための大切な術だったのです。
充分な食料も安全な寝床も確保されたペットの猫たちですが、猫らしくのびのびと暮らすためには、祖先から受け継いできた習性を発揮できる場所を用意してあげることがとても大切になってきます。
猫たちの習性を理解して、人も猫も住みやすい環境をこれから一緒に考えていきましょう!